遺言 Q&A


Q1 遺言書が見つかりました。どうしたらよろしいでしょうか?

A 家庭裁判所の検認を受けましょう!

  遺言書の保管者又はこれを発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出し

 て、その「検認」を請求しなければなりません(民法第1004条第1項)。

  注1)申立人は、遺言書の保管者又は遺言書を発見した相続人

  注2)申立先は、遺言者の最後の住所地の家庭裁判所


Q2 検認の手続に必要な書類は?           

A   被相続人(遺言者・亡くなった人)及び相続人について以下のような書類が必要です。

1.被相続人について必要な書類

  □□ 戸籍謄本(除籍謄本、改製原戸籍謄本)……出生時から死亡時までの連続したすべての戸籍

    □□ 除・住民票の写し又は戸籍の附票 …… 最後の住所を証するため、除・住民票の写しは、本籍地の記載

      のあるもの(3か月以内)(裁判所によって不要な場合もありますが、相続登記には必要です。)

  2. 相続人について必要な書類
    □□ 相続人全員の現在の戸籍謄本 …… 申立時から3か月以内のもの
    □□ 住民票の写し又は戸籍の附票 …… 申立時から3か月以内のもの 


Q3 検認の申立てに必要な費用?

A   検認の申立てに必要な費用は、以下のとおりです。

   □□ 遺言書(封書の場合は封書)1通につき収入印紙800円分

   □□ 連絡用の郵便切手(82円×相続人の人数+82円×2枚)

   ※申立てを当事務所に御依頼される場合は、ご相談ください。


Q4 遺言書を開封してしまいました。どうしたらいいでしょうか?

A 民法第1004条第3項の規定によれば、封印のある遺言書の開封は、家庭裁判所相続人等の立会いの上開封

 しなければならないことになっています。   

 また、民法第1005条の規定によれば、遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は

 家庭裁判所外においてその開封をした者は、5万円以下の過料に処せられます。


Q5 遺言書は父親が書いたものとは思えません。なぜなら、病床に伏しており、字は書けなかったはずです。

A 家庭裁判所の検認は、遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。
   相続人等に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など、

 検認の日、現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です遺言の有効・

 無効を判断する手続は別途、裁判を提起するしかありません。


Q6 その他、注意をしなければならないことはありますか?

A  相続人の欠格事由(相続人になり得ない事由)として民法第891条第5号の規定によれば、相続に関する被相 続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者は、相続人となることができないとあります


Q7 家庭裁判所の審判手続はどのようなものですか?

A 家庭裁判所の審判手続は、申立てをすると、家庭裁判所から相続人と利害関係人に検認期日(検認を行う日)

 の通知がなされます。
  申立人以外の相続人が検認期日に家庭裁判所に行かなかったとしても、影響はありません。全員がそろわなく

 ても検認手続は行われます。
  申立人は、遺言書、申立人の印鑑、そのほか担当者から指示されたものを持参してください。

      特に、遺言書は忘れないように、必ず持参してください。
 ※心配であれば、当事務所が裁判所まで行って差し上げます。


Q8 裁判所での審判手続は時間がかかるのでしょうか?       

A 家庭裁判所で裁判官が遺言書について、相続人(申立人)に質問等を行い、その日のうちに、検認を終えた遺言

 書は、申立てにより、検認を受けた旨の証明がなされます。
  (遺言書1通につき150円分の収入印紙と申立人の印鑑が必要となります。)。