失踪宣告の申立手続き
不在者(従来の住所又は居所を去り,容易に戻る見込みのない者)につき,①その生死が7年間明らかでないとき(普通失踪),又は②戦争,船舶の沈没,震災などの死亡の原因となる危難に遭遇しその危難が去った後その生死が1年間明らかでないとき(危難失踪)は,③家庭裁判所は,利害関係人の申立てにより,失踪宣告をすることができます。 失踪宣告とは,生死不明の者に対して,法律上死亡したものとみなす効果を生じさせる制度です。また,仮に不在者が婚姻をしていれば,死亡とみなされることにより,婚姻関係が解消します。 なお, 行方不明の配偶者と離婚したい場合は,配偶者を死亡したものとみなすのではなく,行方不明の配偶者を被告とする離婚訴訟の手続を利用する必要があります。 以下は横浜家庭裁判所の場合です。
利害関係人(不在者の配偶者,相続人にあたる者,財産管理人,受遺者など失踪宣告を求めるについての法律上の利害関係を有する者)
不在者の従来の住所地又は居所地の家庭裁判所
•収入印紙800円分 •連絡用の郵便切手 500円×2枚,82円×15枚,52円×1枚,20円×10枚,10円×10枚 合計2,582円
•官報公告料4298円(失踪に関する届出の催告2725円及び失踪宣告1573円の合計額。
裁判所の指示があってから納めてください。)
(1) 家事審判申立書(失踪宣告)
(2) 標準的な申立添付書類
•不在者の戸籍謄本(全部事項証明書)
•不在者の戸籍附票
•失踪を証する資料
•申立人の利害関係を証する資料
(親族関係であれば戸籍謄本(全部事項証明書))
(1) 失踪宣告の申立をした後は,どのような手続が行われるのか。
↓ 家庭裁判所調査官による調査
(多くの場合,申立人や不在者の親族などに対し)が行われます。
(2) 公示催告
↓
家庭裁判所による公告(官報や裁判所の掲示板で催告)
裁判所が定めた期間内(3か月以上。危難失踪の場合は1か月以上)に,
①不在者について失踪の宣告の申立てがあったこと,
②不在者は、一定の期間までに生存の届出をするように,
③不在者の生存を知っている人は,一定の期間までにその届出をするように
④その期間内に届出などがなかったときに失踪の宣告がされます。
(3) 家庭裁判所による失踪の宣告
↓
前記(2)の公告期間が満了した場合,家庭裁判所は失踪宣告をします。 失踪宣告の審判が確定したときは,裁判所書記官は遅滞なくその旨を公告し,失踪者の本籍地の市町村長に対して通知します。
(4) 失踪宣告後の戸籍の届出
↓
①申立人には,戸籍法による届出義務があります。 審判が確定してから10日以内に,市区町村役場に失踪の届出をし
なければなりません。
②届出には,審判書謄本と確定証明書が必要になります。
③審判をした家庭裁判所に確定証明書の交付の申請をします。
④確定証明書は,家庭裁判所に備付けの申請用紙がありますので,
申請用紙に必要事項を記入し,150円分の収入印紙,郵送の場合には
返信用の切手を添えて,審判をした家庭裁判所に申請してください。