1 提案
死後事務委任契約とは?
これからの生活のことをお考えの方に、死後のお話をすることは大変失礼かと存じます。本当に申し訳ありません。
ただ、任意後見契約をお考えであれば、私たち法律家はぜひ一緒にお考えいただきたいと思う契約の一つです。
特に、一人生活で暮らされている方には、重要な問題なのです。
このブログに訪問されたあなた様は、お一人様のご自身が亡くなられた後のこと、お考えになられたことがありますでしょうか?
お葬式からどこのお墓に入るか、ご心配ないでしょうか?
死後事務委任契約とは、死後に発生するいろいろな事務を代行してもらう契約です。
相続人となる身近なご家族がいらっしゃるのであれば大丈夫でしょうが、ご親戚がいても付き合いが疎遠であったり、まるっきり身寄りのない方の場合には、死後事務委任契約が重要になってきます。
厚生労働省の資料では、ご高齢の約8割の方は、最期は病院での死亡となっています。そうしますと、①入院中の費用を病院へ支払ったりするのは、どうすればよろしいのでしょうか?②葬儀の手配やその支払手続はどのようにするのでしょうか?
③ご自身が入るお墓もどうするのか、元気な生前に決めておく必要が生じてきます。
また、ご自宅で亡くなった場合でも、④家賃や水道光熱費の支払いはどうするのでしょうか?
任意後見人、法定成年後見人等は、ご本人が死亡した時点でその職務が終了します。
このような事務手続きを委任することまでは含まれません。
ご本人が亡くなってからの事務は、任意後見人等では出来ないものと考えられているためです。
したがって、死後の事務を任せられるご親族等がいらっしゃらない方は、任意後見契約とあわせて死後事務委任契約を結んでおくことが必要となります。
ただし、普段からお付き合いがなくとも相続人となる予定の親戚の方がいらっしゃる場合には、死後事務で支払われる金銭が相続財産の一部にあたることから、相続との問題も生じるため、その点に気を付けなければいけません。
2 結語
成年後見制度利用促進法が衆院本会議で平成28年4月8日が可決しました。平成28年、10月にも施行されるようです。死後事務も一部後見人で行うことができるようになったようですが、正式に契約書として一度、締結をお考えになられてはいかがでしょう?
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