居住不動産の処分

被後見人等の居住用不動産を処分する場合には、事前に家庭裁判所に「居住用不動産処分許可」

の申立てをし、その許可を得る必要があります(民法859条の3)。

処分には、売却、抵当権の設定、賃貸借契約の締結・解除、建物取り壊し等があります。


申立てに当たって必要なものは、次のとおりです。
□ 申立書
□ 収入印紙 800円(申立書に貼付)
□ 郵便切手 82円


今般の事例は、土地の賃貸借契約の解除及び建物の取壊しの場合でした。
添付書面として、

□ 解除(本人が借りている場合)・・・解除の対象となる契約の契約書又はこ
れに準ずる書面

□業者の見積書と選定理由書

□親族の同意書


居住用不動産の処分が許可になるか否かは、①賃貸借契約の解除の必要性、②本人の生活

や看護の状況、本人の意向確認、③親族の処分に対する態度などの要素が判断材料となります。

これらの要素を総合考慮し、成年後見人による恣意(しい)的処分でなく、本人保護に資すると

判断された場合に、家庭裁判所による許可の裁判がなされることになります。


ちょっと、時間がかかりましたが、2週間くらいで許可になりました。

居住用不動産を処分するに当たり、自宅には被後見人のいろいろな思い出がつまっているため、

身につまされます。

成年後見人が、家庭裁判所の許可を得ないで本人の居住用不動産を処分した場合には、その行為

は無効となります。